【書評】「1分で話せ」(伊藤羊一) 感想と学んだこと

伊藤羊一氏の著書『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』を読みました。書評、感想、学んだことを書かせていただきます。

忙しい方用 まとめ

「1分で話せ」はこんな人に読んでほしい

・会話で人を動かすノウハウを得たい
・人に伝える能力を向上させたい
・プレゼンテーションが苦手
・企画や営業関連のお仕事をしている人
・ブロガー

感想、学んだこと、書評

プレゼンは、相手に「理解してもらう」ではなく、「動いてもらう」こと

伊藤さんは、プレゼンは「相手に理解させる」のが目的ではなく、「相手を動かす」ことが目的だと解説しています。

そもそも、「理解してもらう」というゴールがおかしいのです。伝える側が、聞き手に、「理解したうえで、どうしてほしい」のか、君が動くのか私が動くのか、どうすればいいのか、ということを、必ず考えなくてはならないのです。

出典:『1分で話せ』 第1章 P32より 伊藤羊一:著 SBクリエイティブ:刊

本書は、この「人を動かす」という点に重点をおいています。「伝える→相手をその気にさせる→動いてもらう」という流れにもっていくための方法を分かりやすく丁寧にまとめられた1冊です。

人はあなたの話の80%は聞いていない

伊藤さんは「人はあなたの話の8割方聞いていない」という前提で相手に伝えるための方法を解説しています。

聞き手はそもそも8割方聞いていないし、理解もしていない。であれば、それをそもそも理解した上で少しでも相手の頭に残し、相手が動くためにはどうしたらいいのか、の勝負になります。

そのために必要なのは、
「1分で話せるように話を組み立て、伝えよう」
ということです。これが基本です。

出典:『1分で話せ』 序章 P20より 伊藤羊一:著 SBクリエイティブ:刊

「この前言ったじゃないか!」が口癖の人に読んでもらいたい。自分が丁寧に話したつもりでも、相手が理解してくれているとは限らないですからね。

正しいことを言うだけでは人は動かない

私が最も勉強になったポイントです。

正しいことをつらつらと述べるだけでは人は動かない。人を動かすためには「頭の中にイメージを持たせる」ことが大切であると解説されています。

具体的には、
「想像してみてください」
「あなたがもしこの世界を経験するとしたらどうでしょう」
と促す。そして、「素晴らしいと思いませんか」と方向感を伝える。
これだけで良いのです。あとは勝手に、聞き手が自分の頭の中で想像を始めてくれるようになります。

出典:『1分で話せ』 第4章 P125より 伊藤羊一:著 SBクリエイティブ:刊

相手にイメージを作ってもらう手段として「想像してみてください」と言う言葉を最初に入れる。これは凄く効果的だなぁと思いました。

意味が繋がっていればロジカル

ロジカルに話すことが大事。この言葉は社会人なら誰もが言われたことがあるのではないでしょうか。

しかし、「ロジカルに話すのは大事なのはわかったけど、細かすぎて無理!!」こう感じている方は結構多いはず。私もその一人でした。

伊藤さんは「意味が繋がっていればロジカル」であると解説しています。なんか、頭の中の絡まった糸が解けた感覚になりました。

必要なことは全てやりきる!

伊藤さんは、他人に動いてもらうために根回しやアフターフォローはどんどんやるべき派です

「根回しやアフターフォローをすることはカッコ悪いことだ」と思っているのは本質から外れているのです。つまり、あなたはカッコいい・悪いで仕事をしていませんかということを問いたいのです。

出典:『1分で話せ』 第5章 P153より 伊藤羊一:著 SBクリエイティブ:刊

このような考えは非常に共感できます。泥臭く行動しましょう!

ブロガーにもおすすめ

本書はプレゼンにおける伝え方の手法を紹介されています。プレゼンで伝わる手法は、文章でも使えます。

SDS、PREPのフレームワークなども紹介されており、ブログにも役立ちますので理解しておくべきです。

実践編は同じような境遇の方には目から鱗

私は、以下の2つが大変参考になりました。

「すぐに否定してくる上司の対応方法」
この詳細は本を読んでみてください。

上司へ提案する場合は、「主張したら上司の話を客観的に聞く」
これはすごく参考になりました。私はいつも「〜だと思うけどよろしいですか?」という聞き方で自分の意見を一方的に伝えて納得させようという考えでした。そうではなく、上司も上の立場としての考えを持っているわけです。上司の考えをうまく引き出せるように会話をすることでさらに良いアイデアが生まれるのだと感じました。