英語の技術文書や現場でよく出てくる「tap」や「tapped」という表現。
この言葉は日常英語でもよく使われますが、技術分野ではまったく別の意味を持ちます。
この記事では、tap の意味と使い方を「日常編」と「技術編」に分けて分かりやすく解説します。
まずは日常英語での「tap」の使い方
tap(動詞)= 軽くたたく、軽く触れる、タップする
意味 | 例文 |
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指で軽くたたく | He tapped me on the shoulder.(彼は私の肩を軽くたたいた) |
スマホ画面をタップする | Tap the screen to continue.(続けるには画面をタップしてください) |
軽くノックする | Someone tapped at the door.(誰かがドアを軽くたたいた) |
tap(名詞)= 蛇口、タップ音、タップ操作
意味 | 例文 |
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蛇口 | Turn off the tap when brushing your teeth.(歯を磨くときは蛇口を閉めましょう) |
軽くたたく音 | I heard a tap on the window.(窓を軽くたたく音が聞こえた) |
タップ操作 | A quick tap will open the app.(軽くタップすればアプリが開きます) |
■ 技術英語での「tap / tapped」の意味と使い方
ここからが本題となります。
電気・電子・制御の分野では、tap は以下のように使われます。
tap(名詞)= 電圧取り出し点(タップ)
- 主にトランス(変圧器)や電源装置において、巻線から電圧を分岐して取り出す接点のこと。
Please kindly use the 220V tap on the transformer.
トランスの220Vタップを使ってください
tap(動詞)= 電圧や信号を分岐させて取り出す
- 回路のあるポイントに接続して電圧や信号を取り出すことを指します。
We tapped the circuit at 110V.
110Vのポイントから回路を接続しました
tapped(過去形・過去分詞)
特定の電圧ラインに接続したことを表します。
The machine was tapped at 220VAC.
装置は220Vの交流ラインに接続されました
■ よくある技術的な使用例
トランス(変圧器)の複数タップ
トランス(変圧器)には複数の電圧取り出し点(tap)があり、状況に応じて使い分けたりします。
The system was tapped at 220V for optimal performance.
システムは最適な性能のため、220Vタップに接続されました。
制御盤・装置内部の電源取り出し
After tapping the internal VAC source, the unit functioned more stably.
内部の交流電源を取電することで、ユニットの動作が安定しました。
こちらは補足になりますが、電気系統の不具合の詳細説明で以前このような英文が送られてきました。
The machine tapped at 220VAC internal VAC and machine works better
少し不自然な英文ではありますが、実際にアメリカ人から送られてきたメールの一部を抜粋した分です。「装置を内部の220V交流電源タップに接続したところ、ユニットの動作が改善された。」という意味になります。
■ おわりに
同じ「tap」でも、日常会話と技術文書ではまったく異なる意味になります。
技術英語では特に電源回路やトランス設計に関わる現場で頻出するため、しっかり理解しておくと英語マニュアルやエンジニア同士のやり取りで役立ちます。
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