英語で議事メモ(Minute)を書く機会がある方にとって、「どう書けば伝わりやすいのか」「どこまで書くべきか」と悩むことは少なくありません。特に海外チームとの会議では、簡潔でわかりやすいメモが求められます。
この記事では、技術者向けに、実務で使える英語の議事メモ作成テクニックを紹介します。
シンプルで客観的に記録
まず押さえておきたいのは、英語の議事メモはシンプルかつ事実ベースで書くということです。日本語の議事録では流れや背景などを丁寧に書く傾向がありますが、英語の場合は「誰が」「何を」「どう決めたか」「何をすることになったか」が明確であれば十分です。
細かく記載しなければいけない場面も稀にありますが、「指示を受けたら細かく書く!」くらいのマインドでいたほうが良いです。感情を交えずに、事実と決定事項を淡々と記載することを心がけましょう。
時制は基本「過去形」、アクションアイテムは「未来形」を使う
文法的には基本的に過去形を使います。会議で起きたことを記録するためです。
ただし、アクションアイテムは現在形や未来形を使う場面もあります。
Action:John will prepare the report by Friday
箇条書きを活用して簡潔にまとめる
長文よりも箇条書きで要点を整理するほうが読みやすく、情報の抜け漏れも防げます。たとえば
”Discussed supplier change – cost impact to be analyzed”
のように、主語を省略して簡潔にまとめる書き方が一般的です。

「主語がないから命令系になってるのでは、、、」なんて気にしなくて良いからね!!
主観は避けて客観的に書く
英語に限りませんが、議事メモに主観的な表現や感情は不要です。なのでThinkなど不確実なことは書かないほうがベターです。例えば、
“Everyone thought this countermeasure was a good idea”
のような記述は避けたほうが良いです。
“The countermeasure received general agreement”
のように書き換えることで、客観性を保つことができます。
略語は一度だけフルスペルと併記する
略語や専門用語は一度だけフルスペルと略語を併記しましょう。たとえば “KPI (Key Performance Indicator)” のように記載しておけば、読者が内容を正しく理解しやすくなります。

みんな知ってるなら、最初から書かなくてもOK
アクションアイテムは明確に
誰が何をいつまでにやるのかを明記することは重要です。
“Tom to send updated specifications by May 30”
のように書いておけば、タスクが曖昧になりません。議事メモの目的は、会議の記録だけでなく、次の行動につなげることにもあります。
よく使われる英語表現を覚えておく
定型表現をいくつか覚えておくと、スムーズに書けます。
- The meeting was called to order at 10:00 AM
会議は午前10時から開始した - No objections were raised
異論は出なかった - It was agreed that…
・・・で合意された - Jim reported that…
Jimは・・・
最後にサンプル
簡単なサンプルを作成してみました。下記のような形でシンプルにまとめると良いでしょう。
Technical Meeting Minutes
Date: May 24, 2025
Attendees: K. Tanaka, R. Müller, A. Chen
Meeting Duration: 14:00–14:30 JST
Platform: Teams
1. PCB design issue
Noise found on analog signal line during testing
Likely cause: insufficient grounding near ADC
Action: Chen to update layout and share by May 27
2. Firmware update plan
v1.3 to include I2C error handling
New watchdog reset logic passed bench testing
Action: Müller to release beta firmware by May 30
3. Field failure report
Two units failed under −10°C cold start
Root cause under investigation
Action: Tanaka to collect and review logs by May 28
まとめ
英語での議事メモ作成は、事実を簡潔に、誰が読んでも意図が伝わるように記録することが求められます。日本人は長々と書く傾向があるため、いざやってみると結構難しいです。
難しい言葉や表現は不要で、むしろ単純な文章で、抜け漏れなく書くことが評価されます。慣れるまではテンプレートを活用したり、他の人のメモを参考にしたりすると効率よくスキルが身につきます。
英語で議事メモを書く力は、国際的な業務を支える重要なスキルの一つです。時間をかけてでも磨いておく価値は十分にあります。
ちんたら書いてないで、やることだけ書け!ってことだね