ビジネスで「通知する」という表現は頻出しますが、どれが適切な単語であるか迷うことはないでしょうか?
特に以下の4つは意味が似ており、使い分けが重要です。
- notify of
- inform of
- advise of
- alert about
いずれも「通知する」の意味ですが、それぞれの使い方を、ビジネスや技術の場面を想定して詳しく解説します。

notify of
意味
正式に通知する、公式に知らせる
特徴
文書やメールなどで「通知書」的に伝える場合に使われます。
受け手が事実として受け取ることを目的とする表現です。
契約変更、出荷連絡、納期の確定通知などのフォーマルな業務連絡での使用場面が多いです。
例文
We will notify you of the software update next week.
(来週、ソフトウェアの更新について通知します)
inform of
意味
知らせる、情報を与える
特徴
notifyより少しカジュアルで、相手に情報を共有するというニュアンス。上司や同僚への連絡、日常的な社内連絡に適しています。
日程調整、進捗報告、メールでの軽い連絡などではinform of を使用すると良いでしょう。
例文
Please inform me of any schedule changes.
(スケジュール変更があれば教えてください)
advise of
意味
通知する+アドバイスや判断材料を与える
特徴
単に情報を知らせるだけでなく、「どうするかを判断してもらうために知らせる」という含みがあります。notifyより実務的・実践的な場面で使われます。
notifyは「伝えること」に焦点がありますが、adviseは「相手の対応や行動に関係する内容を伝える」イメージがあります。
例文
We will advise you of the schedule change by tomorrow.
(スケジュール変更については明日までにご連絡します)※明日までどうするかを判断してもらう含みがある
Please advise us of your availability.
(ご都合をお知らせください)。
The customer was advised of the issue and offered compensation.
(顧客には不具合について通知し、補償を提案しました)※問題についてどう対処するか判断してもらう含みがある
使用場面
判断や対応が必要なときの連絡、計画変更、仕様通知、顧客対応
alert about
意味
警告する、注意を促す
特徴
緊急性・危険性を含む通知に使われます。通知の目的は「知らせる」より「注意させる」ことにあります。
セキュリティ通知、障害アラート、緊急連絡、災害情報などアプリなどで表示されることが多いです。
例文
The system alerts users about possible security threats.
(システムはセキュリティ上の脅威についてユーザーに警告します)
前置詞 ofとaboutの使い分け
気になった方もいるかと思いますが、notify/inform/adviseは前置詞がofですが、alertだけaboutです。この違いについて解説します。
of を使う動詞:notify / inform / advise
これらの動詞はすべて、
「誰か(人)に、何か(情報)を知らせる」
という構文をとります。
基本構文
[動詞] 人 of 情報(名詞)
例文
We notified the client of the delay.
(私たちは顧客に遅延を通知した)
They informed me of the schedule.
(彼らは私にスケジュールを知らせた)
She advised us of the change.
(彼女は変更について私たちに通知した)
alert だけ about を使う理由
「alert」は、他の3つとは少し構造が異なり、警戒や注意を促す動詞です。
基本構文
[動詞] 人 about 内容
例文
The system alerted users about the risk.
(システムはユーザーにそのリスクについて警告した)
ポイント
alertは「気づかせる」「注意を向けさせる」という意味があり、about = 話題・話の対象を導くのが自然です。通知するのではありません。
この構文は「警告の対象が何か」を明確にするために、ofではなく、より柔軟な about が使われます。
まとめ:使い分けのポイント
文頭に載せた表と同じですが、ニュアンスと使用例をもう一度見て復習しましょう。

このように、「通知する」にもさまざまな英語表現があり、文脈によって選ぶべき単語が変わります。意味は似ていても、相手に与える印象や含まれるニュアンスは異なるため、正しく使い分けることが大切です。
今回は以上です。それでは。