「colormeter」と「spectrometer」の違いとは?

製造現場や品質保証の場面で色の測定が必要になると、「colormeter(色差計)」と「spectrometer(分光器)」という言葉が出てきます。

どちらも色を数値化する機器ですが、用途・精度・原理・価格に明確な違いがあります。

技術者や品質管理者向けに、それぞれの特徴と違いを解説します。今回は少し日本語メインですがどうかお付き合いください。

colormeter(色差計)

colormeterは、物体の色を数値で表し、基準との色差を評価するための装置です。人間の目の感覚に近い形で色を測る簡易的な機器として使われています。

使用例:

  • 塗装品や印刷物の色の一致確認
  • 品質チェックでの色差管理(ΔE)

測定方式:

  • 測定対象に光を当て、反射光をRGBフィルターを通して検出
  • Lab値やXYZ値などに変換し、色差を計算

特徴:

  • 簡単に使える
  • 持ち運び可能
  • 日常的な管理に適している
  • 精度はやや限定的

英文例:

We use a colormeter to ensure color consistency on painted parts.
塗装部品の色を一定に保つために色差計を使用しています。

spectrometer(分光器)

spectrometerは、光を波長ごとに分解し、各波長の強度を測定する機器です。分光反射率・透過率などのスペクトル情報を取得でき、非常に高精度です。

使用例:

  • 材料開発(透明フィルム、コーティング剤など)
  • 正確な色解析
  • トラブル解析や異物分析

測定方式:

  • 光をプリズムや回折格子で分解
  • 波長ごとの強度をセンサーで取得し、分光データとして出力

特徴:

  • 高精度
  • 測定範囲が広く、反射も透過も対応可能
  • 装置が高価で、操作には専門知識が必要

英文例:

A spectrometer allows us to analyze the spectral characteristics of transparent films.
透明フィルムの分光特性を解析するために分光器を使用しています。

比較まとめ

項目colormeterspectrometer
測定原理RGBフィルターで反射を測定光を波長ごとに分解して測定
出力データLab値・色差(ΔE)分光反射率・透過率など
対象物主に表面(塗装など)表面・透明体・液体など
精度中程度高精度
操作性簡単やや専門的
コスト比較的安価高価

重要!使い分けの目安

colormeterは、現場での色のばらつき確認や、日常の品質チェックに最適です。

spectrometerは、研究開発やより高精度な解析が求められる場面に向いています。

研究開発に関して議論しているときにcolormeterを使うのは避けたいところです。

ただし、お互いが共通の製品を認識している状況で会話しているのであれば、どちらの単語を使用してもコミュニケーションは成立します。

まとめ

どちらも「色を測る」機器ですが、目的・精度・出力結果がまったく異なります。

用途に応じて正しく選び、誤解のない使い方をすることが品質維持と効率化の鍵になります。

今回は以上です。それでは。