UPSとStabilizerの違いを解説

技術現場やオフィス環境では「電源を安定させる装置」でUPS(Uninterruptible Power Supply) と stabilizer の2つが主に使われます。しかし、両者は役割が異なるため、技術的な会話では使い分ける必要があります。

まずはそれぞれの意味を解説します。

UPS(無停電電源装置)

UPSは、停電や瞬間的な電源断が発生しても機器を止めずに動作させるための装置です。内部にバッテリーを持ち、電源が失われた瞬間にバッテリーから電力を供給します。

主な使用目的は停電対策やシステムの安全停止であり、サーバー、医療機器などの重要な機器に接続されることが多いです。

例としては、

The server is protected by a UPS to avoid sudden shutdown.

(サーバーは突然のシャットダウンを避けるためUPSで保護されている)

のような形で使用します。

ちなみに英語でもUPSの略語で通じます。逆に略して言わない人は珍しいです。

Stabilizer(電圧安定化装置)

Stabilizerは、入力電圧が不安定なときに、それを安定した電圧に補正する装置です。電力供給自体が途絶えた場合には機能しませんが、電圧の変動による機器の故障を防ぎます。

主な目的はUPSと変わらず、電圧変動から機器を守る ために精密機器、医療装置、産業用設備などに使用することが多めです。

例文

The equipment is connected to a voltage stabilizer to ensure steady voltage.

(その装置は安定した電圧を確保するためにスタビライザーに接続されている)

違いのまとめ

違いのまとめは以下のように考えれば良いです。

UPS:停電しても動作を続けられる装置

Stabilizer:電圧を一定に保つ装置

つまり、UPSは「電源の継続供給」、stabilizerは「電圧の安定化」に強みがあります。用途によって使い分けることが重要です。

(応用)UPSの他の言い方

様々な国の人たちと英語でやりとりしていると、UPSを他の単語で表す人もいます。

下記のような単語が使われますが、詳しい仕様を確認する必要がなければ、UPSと同一の意味で会話すれば良いでしょう。

  • nobreak(ノブレイク)
  • backup power supply
  • emergency power supply
  • standby power supply (SPS)
  • battery backup

中でも、nobreak はブラジルやポルトガルではnobreakを一般用語として使う傾向があります。日本のように電源供給が安定していない国では当たり前のように使われます。

また、SPSは「スタンバイ型 UPS(簡易型)」を示す時に使われるケースが多いです。

ちなみに技術者の多くは stabilizerなどは使わずに一律でUPSで表現する方も一定数います。具体時な装置の仕様を確認したい時は、型番を確認したり、具体的な動作仕様を以下のように確認することも大事です。

Could you clarify what kind of device you mean by UPS? Could you also let me know the model number of the UPS?

今回は以上です。